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ウイスキーとは何か?種類や製法による違いを解説

ウイスキーは、穀物を発酵・蒸留・熟成させた蒸留酒です。蒸溜酒とは、発酵させた液体を加熱して蒸気にし、それを冷やして液体に戻すことでアルコール度数を高めたお酒のこと。産地や原料、製法によって種類が分かれ、味わいも異なります。

例えば、モルトウイスキーは大麦を原料とし、単式蒸留器で蒸留されます。グレーンウイスキーは小麦やトウモロコシなどを原料とし、連続式蒸留器で蒸留されます。

この記事では、ウイスキーの種類や製法の違いを詳しく解説し、ウイスキーのおすすめの飲み方やグラスの選び方もご紹介します。

ウイスキーとは何か?ウイスキーの定義や歴史

ウイスキーとは、穀物を原料として発酵させ、蒸留して熟成させた蒸留酒の一種です。ウイスキーの歴史は、蒸留アルコールの歴史と密接に関係しています。

蒸留アルコールは、8世紀から9世紀にかけてイスラム圏で発明され、医療や化粧品などに用いられました。その後、ヨーロッパに伝わり、修道院などでさまざまな穀物や果物を原料として蒸留酒が作られるようになったのです。

ウイスキーの起源

ウイスキーの起源については、アイルランド説スコットランド説の2つが有力と言われています。
アイルランド説では、12世紀にアイルランドでウイスキーが作られ始めたとされ、スコットランド説では、15世紀にスコットランドでウイスキーが作られ始めたとされます。
いずれにせよ、当時のウイスキーは現代のものとはかなり異なり、無色透明で強い香りと辛味があったと言われています。

ウイスキーの発展

ウイスキーは、17世紀から18世紀にかけて、税金や規制などの影響で密造が盛んに行われるようになりました。その結果、品質や安全性が低下し、ウイスキーの評判も悪くなりました。
しかし、19世紀に入ると、蒸留技術や熟成技術の進歩によって、ウイスキーの品質が向上しました。特に連続式蒸留器の発明は、大量生産を可能にし、グレーンウイスキーと呼ばれる新しい種類のウイスキーを生み出しました。また、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーもこの頃登場しました。

ウイスキーの広がり

19世紀後半から20世紀前半にかけて、ウイスキーはヨーロッパやアメリカなどで人気を博しました。特にアメリカでは、バーボンウイスキーやライウイスキーなどの独自の種類が開発されましたが、禁酒法や第一次世界大戦などの影響で、ウイスキー産業は大きな打撃を受けました。
その後、第二次世界大戦後に復興しましたが、1960年代以降はビールやワインなどの競合商品に押されて衰退しました。

ウイスキーの現状

1980年代以降、ウイスキーは再び注目を集めるようになりました。特にシングルモルトウイスキーと呼ばれる、一つの蒸留所で作られたモルトウイスキーが高級品として人気を得たり、スコットランドやアイルランドだけでなく、日本や台湾などのアジアの国々でもウイスキーの生産が盛んになりました。
現在、ウイスキーは世界中で愛飲されており、多様な種類やスタイルが存在しています。

日本のウイスキー

日本のウイスキーの歴史は、1853年にペリー総督の艦隊が日本に初めてやってきた時にウイスキーが伝わったところから始まります。
その後販売用のウイスキーが作られ始めたのは、1924年に竹鶴政孝が山崎蒸留所を建設して「サントリーウイスキー」を発売した時でした。これが日本初の本格的なウイスキーであり、日本の「ウイスキー元年」とも呼ばれています。
その後、戦前には東京醸造や大日本果汁などもウイスキーを製造しましたが、戦後になってからはサントリーやニッカなどがウイスキーの市場を拡大しました。現在では、日本のウイスキーは世界的に高い評価を受けており、多くの国際的な賞を受賞しています。また、新興のクラフトウイスキーも増えており、日本のウイスキーは多様な魅力を持っています。

ウイスキーとは何か?ウイスキーの定義や歴史

ウイスキーの種類(産地や原料による分類など)

ウイスキーの種類は、主に産地や原料、製法によって分類されます。ここでは、代表的なウイスキーの種類とその特徴を紹介します。

五大ウイスキー(産地による分類)

ウイスキーは、世界各地で造られていますが、代表的な産地は以下の5つです。五大ウイスキーとも言われています。

スコッチウイスキー

スコットランドで造られるウイスキーで、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの2種類があります。モルトウイスキーは大麦麦芽を原料に、グレーンウイスキーはトウモロコシや小麦などを原料にします。
熟成期間は最低3年以上で、ピートを使って麦芽を乾燥させることで独特の香りを付けます。

  • ピートとは
    ピートとは、泥炭のことで、ウイスキーの原料の大麦麦芽を乾燥させる際に使用されます。
    ピートの煙で麦芽を乾燥させると、ウイスキーにスモーキーな香りがつきます。この香りをピート香と呼びます。
    ピート香はスコッチウイスキーの伝統的な香りで、特にアイラ島で作られるアイラウイスキーはピート香が強いことで知られています。

アメリカンウイスキー

アメリカで造られるウイスキーで、バーボンウイスキー、ライウイスキー、ホイートウイスキーなどがあります。原料の穀物の割合によって呼び名が変わります。
例えば、バーボンウイスキーはトウモロコシが51%以上、ライウイスキーはライ麦が51%以上です。新樽で熟成させることが義務付けられており、濃厚で甘い味わいが特徴です。

アイリッシュウイスキー

アイルランドで造られるウイスキーで、モルトウイスキーやグレーンウイスキーなどがあります。原料は大麦麦芽やトウモロコシなどで、ピートを使わずに乾燥させます。
熟成期間は最低3年以上で、3回以上蒸留することが多いです。軽やかでフルーティな味わいが特徴です。

カナディアンウイスキー

カナダで造られるウイスキーで、フレーバリングウイスキーとベースウイスキーの2種類があります。フレーバリングウイスキーはライ麦や大麦などを原料にして香りや味を付けます。ベースウイスキーはトウモロコシなどを原料にして中性的な味にします。これらをブレンドしたカナディアン・ブレンデッドウイスキーが一般的です。
熟成期間は最低3年以上で、軽くてまろやかな味わいが特徴です。

ジャパニーズウイスキー

日本で造られるウイスキーで、モルトウイスキーやグレーンウイスキーなどがあります。原料は大麦麦芽やトウモロコシなどで、ピートの使用量や蒸留回数は様々です。
熟成熟成樽には、主にホワイトオーク製の樽が使われます。樽の種類や使用回数、サイズなどによって、ウイスキーの色や香り、味に影響を与えます。
ジャパニーズウイスキーでは、スコッチウイスキーと同様に、バーボンウイスキーやシェリーなどの古樽を再利用することが多く、また、日本独自の樽として、ミズナラ(水楢)製の樽があります。ミズナラ樽は、香辛料やサンダルウッドなどの独特の香りをウイスキーに付けます。

ウイスキーの種類

原料による分類

ウイスキーの主な原料は穀物です。穀物の種類によって、ウイスキーの味わいや香りが異なります。穀物によるウイスキーの分類は、以下のようになります。

モルトウイスキー

モルトウイスキーとは、大麦麦芽(モルト)のみで造られるウイスキーのことです。
大麦麦芽とは、発芽させた大麦のことで、発芽することでデンプンが糖に変わります。モルトウイスキーは、単式蒸留釜で2回(ないし3回)蒸留することが一般的です。
モルトウイスキーは、香ばしく芳醇な味わいが特徴です。代表的なモルトウイスキーには、スコッチ・シングルモルトや日本の山崎や白州などがあります。

グレーンウイスキー

グレーンウイスキーとは、大麦以外の穀物(小麦、トウモロコシ、ライ麦など)を原料とするウイスキーのことです。グレーンウイスキーは、連続式蒸留釜で高温高圧で蒸留することが多く、アルコール度数が高くなります。
グレーンウイスキーは、軽やかでマイルドな味わいが特徴です。代表的なグレーンウイスキーには、カナディアン・クラブやニッカ・コフィーグレーンなどがあります。

バーボン

バーボンとは、アメリカ合衆国で造られるウイスキーの一種で、原料の51%以上をトウモロコシとするものです。バーボンは、新樽に焼き目をつけたオーク樽で熟成させることが法律で定められています。
バーボンは、甘くコクのある味わいが特徴で、代表的なバーボンには、ジムビームやジャックダニエルズなどがあります。

ブランデー

ブランデーとは、果物を原料とする蒸溜酒の総称です。ウイスキーは穀物、ブランデーは果物が原料と覚えておくといいでしょう。
本記事の冒頭でもお伝えしたように、蒸溜酒とは、発酵させた液体を加熱して蒸気にし、それを冷やして液体に戻すことでアルコール度数を高めたお酒のことです。
ブランデーの中でも、もっとも代表的な原料はぶどうで、ブランデーといえばぶどうを原料にしたものを指すのが一般的です。そのほか、りんご、さくらんぼ、洋梨、ベリー類などさまざまな果物が使われます。

ブランデーは、原料や生産地、製造方法によっても細かく分類されています。
例えば、「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」の3種は「世界三大ブランデー」と称されています。コニャックやアルマニャックはぶどうが原料ですが、カルヴァドスはりんごを原料とするブランデーで、ボトルの中にりんごが丸ごと入ってるものも流通してるので、BARで見かけた時はぜひご賞味ください。美味しいですよ。

原料による分類

ウイスキーの楽しみ方(飲み方やグラスの選び方など)

ウイスキーは、色や香り、味わいを楽しみながら、アルコール度数の高いお酒をゆっくりと愉しむことができるお酒です。ウイスキーにはいろいろな飲み方がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。

ストレート

ウイスキー本来の味わいをじっくりと楽しみたい方にはストレートがおすすめです。水やソーダはもちろん、氷も入れずに、ウイスキーそのものの魅力をダイレクトに味わえるのが魅力の飲み方です。
また、ウイスキーの種類よって異なる風味や味わいの違いをはっきりと感じられるのも特徴です。初心者の方やアルコールの強さが苦手な方は少々厳しいかもしれませんが、刺激や骨格のある味わいを堪能したい方にはオススメの飲み方です。

ストレートでウイスキーを飲むときは、グラスに注ぐ量は少なめにしましょう。グラス一杯に注ぐとアルコール度数が高すぎて味わいが分からなくなってしまいます。また、グラス一杯に注ぐと温度が上がりやすく、香りや風味が失われてしまいます。適量はグラスの底に少し溜まる程度で、約20ml〜30ml程度が目安です。本当に少量で大丈夫です。

ストレートでウイスキーを飲むときは、飲む前にまず香りを楽しみましょう。グラスを傾けて回してウイスキーをグラス全体に広げた後、グラスから少し離して鼻先に持ってきます。そこから少しずつ近づけて香りを嗅いでみるとウイスキーの香りをダイレクトに感じることができます。香りはウイスキーの重要な要素なので、ゆっくりと時間をかけて楽しみたいところです。

次に、グラスを手に持って口に含みます。口に含んだらすぐに飲み込まずに、口の中でコロコロ転がして味わってみましょう。舌先では甘さや酸味、舌中央では苦味や塩味、舌奥では渋みや辛味など、舌の部位ごとに感じる味わいが異なります。
ウイスキーの味わいは、原料や製法、熟成方法などによって多様なバリエーションがありますので、舌で感じるニュアンスにも注目してみると楽しいです。口に含んだ後は、ゆっくりと飲み込みます。飲み込んだ後に残る余韻や鼻から抜ける香りを楽しみましょう。これをアフターテイストと呼びますが、これもウイスキーの魅力のひとつです。

ストレートでウイスキーを飲むときに適したグラスを考えるときは、

  • 小ぶり
  • リムの厚さ
  • ボウルの形状
  • ステムがあるかないか
  • 透明度

ここら辺を意識しておくと間違いないでしょう。ウイスキーのアルコール度数の高さや香りなどから、グラスが小ぶりすぎると香りが開かなくてアロマを十分に楽しめなくなったり、逆に大きすぎるとアルコールが飛びやすくなるので、アルコール感が強くなってしまいます。

リム(グラスのふち)の厚さにも注目したいですね。グラスの厚みが薄いグラスでビールやハイボールを飲んだことがある方はイメージできると思いますが、グラスを口に付けた瞬間や、お酒が口の中に入ってくる感じがとてもナチュラルなんですよね。

あとはグラスに適度な丸み(ボウル)やリムの口径が小さいとアルコールの蒸散を遅らせることができるので、香りを長く楽しめます。
アルコールの蒸散は温度にも敏感なので、ステム(持ち手)があるグラスもオススメです。

ストレート

ロック

ウイスキーに氷を入れて飲む方法をロックと呼びます。氷によってウイスキーの温度が下がり、アルコールの刺激が和らぎます。また、氷が溶けることでウイスキーが薄まり、味わいもマイルドになる側面も。初心者の方やアルコールの強さが苦手な方には、ストレートよりも飲みやすい飲み方と言えますね。しかし、氷によってウイスキーが薄まるので、香りや味わいにも影響があることは覚えておくといいでしょう。実際に、ストレートとロックは同じウイスキーなのに味わいが全く異なってきます。

ロックでウイスキーを飲むときは、氷の量や種類に気をつけます。氷の量はグラスの半分程度が目安です。氷の種類はできるだけ大きくて透明なものを選びましょう。小さくて白っぽい氷は溶けやすくて空気も多く含んでいるため、ウイスキーの香りや風味を損なってしまいます。大きくて透明な氷は溶けにくくて空気も少ないため、ウイスキーの魅力を損なわずに冷やしてくれます。

ロックでウイスキーを飲むときに適したグラスは、底が厚くて重いロックグラスです。これらのグラスは、手に持ったときの重量感や安定感があり、ウイスキーの存在感を高めてくれます。グラスの大きさに合わせた大きな丸氷なんかもお洒落ですね。
BARでウイスキー片手にカランコロン、、、大人の男です。

ロック

ハイボール

ウイスキーに炭酸水を加えて飲む方法をハイボールと呼びます。炭酸水によってウイスキーのアルコール度数が下がり、さっぱりとした飲み口になります。また、炭酸水の刺激がウイスキーの香りを引き立て、味わいにも変化を与えます。食事との相性も良く、日本では居酒屋やバーなどで人気の飲み方です。

ハイボールを作るときは、ウイスキーと炭酸水の割合や温度に気をつけましょう。ウイスキーと炭酸水の割合は、一般的には1:3から1:4程度が目安です。好みによって調整できますが、ウイスキーの量が少なすぎると味わいが分からなくなります。
また、ウイスキーと炭酸水の温度は、できるだけ冷やしておきましょう。氷を入れてウイスキーから炭酸水の順番にグラスに注いだ後のステア(混ぜること)には、細心の注意を払う必要があります。マドラーでクルクル混ぜなくても大丈夫です。逆に混ぜたら炭酸が飛んでしまうので、マドラーをグラスの壁に沿ってグラス底まで一直線に持っていき、そのままゆっくり一直線に上に抜いてください。これで十分混ざっています。

ハイボールを飲むときに適したグラスは、コリンズグラスやハイボールグラスなどの細長いグラスです。これらのグラスは、炭酸の泡立ちを良くし、冷たさや爽快感を持続させてくれます。また、細長い形状がウイスキーの香りを集めやすく、味わいを引き出してくれます。ただし、グラスが高すぎると持ちにくいこともあるので、適度な高さを選ぶことが大切です。

ハイボール

まとめ

いかがでしたか?この記事ではウイスキーの歴史や混同しがちなウイスキーの種類、飲み方についてもご紹介しました。ウイスキーは本当に種類がたくさんあり、特徴もそれぞれです。

こっちのBARにはあるけど、あっちのBARにはない。だからこっちのBARに飲みに行こう。

というように、お目当てのウイスキーがあるから飲みに行くことも、お酒を嗜む上で楽しみの一つですよね。また、バーテンダーの方とお話をしながら、飲んだことがないウイスキーを巡るのも嗜みです。

スッキリ飲みやすいウイスキーもあれば、正露丸みたいな香り(分かる人には分かる)がする強烈なウイスキーもあります。グラスを温めて飲むコニャックなんかも美味しいです。

ぜひ好みの1本を探してみてはいかがでしょうか。

それでは。

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